確かに丸見え。奈良のピラミッド「史跡 頭塔」

最近奈良のニュースで話題となっているのが、「奈良のピラミッドが丸見えになっている事件」です。アカートがInstagramでフォローさせていただいているお客様たちも早々に訪れて、皆さま異口同音にそういった内容の投稿をされていましたので、ずっと気になってました。

どういうことかというと、ふだんは住宅街の真ん中で外から見ることができなかった「史跡 頭塔」が、とある理由で外から丸見えになっているというお話です。

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春と秋、一年に二回ある特別公開のたびに、このブログでも何度も紹介させていただいている「史跡 頭塔」は、高畑町の交差点から見て南西のあたり、住宅地の中の小高い丘のような場所にあります。前述のとおり、住宅やお寺などの建物が密集しているため、丘を見上げようにも近くの建物に視界を遮られ、以前は頭塔の南側に茂る木々が見える程度でした。

今回、なぜ丸見えになったかというと、ちょうど近くの幹線道路「県道80号(奈良名張線、奈良教育大学の前の道路です)」に面していたホテルが取り壊されて更地になっているからなのでした。
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この道路にある「破石町」のバス停の辺に立つと、こんな感じで確かに丸見えです。この場所、以前は「ホテルウェルネス飛鳥路」があった場所なのですが、昨年の春の緊急事態宣言の時に休館し、解除後も営業再開せずにそのまま「臨時休館」というかたちが続いているのです。

東大寺や春日大社のほか、奈良の名所旧跡を回るには最適な立地であったことや、比較的手頃で安心できるホテルとして、定期的に奈良を訪れる「奈良好き」だちには高く評価されていたホテルだったのですが、結局そんなお客様もなかなか戻らない日が続いています。全国に60ほどのホテルがある大手企業による経営なのですが、同グループの全国11の施設が宣言解除後の再開を見送り、2020年7月1日に休館となったようです。
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ちなみに2015年8月からこのホテルが「史跡 頭塔」の見学受付窓口となり、それ以前の「前日までに予約が必要」という状態から、当日受付可能となっていたのですが、ホテルの休館にともない現在は以前のような事前予約制に戻ってしまっています。

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現地の管理をされているのは県道から一本入った細い路地沿いにある仲村表具店さん。アカートが過去に見学させていただいたときも、ここのご主人から鍵の開閉を教わり、見学後に返却に行く・・・そのたびにお仕事の手を止めてしまってちょっと申し訳なかった記憶があります。春と秋の特別公開期間中は予約無しで見学ができるのですが、新型コロナの影響で今年の春の公開は無くなってしまいました。

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とにかく今は工事現場に覆いがあるわけでもなく、道路側から全体を見ることができます。
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全部で13あるといわれる浮き彫りの石仏を詳しく見るにはやはり入場する必要がありますが、逆に以前は近すぎて全体のプロポーションがわかりづらく、広角レンズの歪曲した画像しか見ることができなかった全体像が、今なら引きで見られるのです。

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例年、秋の特別公開は正倉院展の開催期間に合わせてあったと思いますが、この先の状況次第では中止になることもありえます。せっかくの機会ですので、通行の妨げにならないようご注意のうえ、遠目に見せていただくのもいいかもしれません。

 

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